緑色の島

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成人式

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       イズノシマダイモンジソウ ユキノシタ科


1月5日、八丈島では一足早い成人式が行われる。
成人式というと、毎年テレビのニュースを賑わす材料となり、見苦しい映像をこれでもかというように流し物議を醸し出している。
その儀式を取り止めてしまった所もあると聞く。
何年も当たり前のように続けられ、最近その意味が問われ出している。

ウン・・年前、私はその場所にいなかった。
何故、蹴ったのか理由はいくつかある。

私には、二つ年上の兄がいる。
兄からは、いろいろな影響を受けて育った。
おとなしいが、いろいろな事に興味を示す兄の教えてくれる事は、私にとって未知のもので話してくれる内容を夢中で聞き入った。
友達も知らない、まわりのおじさん、おばさんたちだって知るはずもない、小雑誌を開きながら内容を教えてくれる兄はたのもしかった。
学校では、教えてくれないちょっと、大人になったような気分にさせてくれる、当時の「今の海外ニュース」のようなものもあった。
まだ、子どもだったので、大人のように全てを理解できた訳ではなく、興味の対象は人間の体のリズムの事だったり、外国のサッカー選手の事だったり、画家の名前だったり、覚えてる部分はとぎれとぎれだが、確かに兄の何かしらの強い影響が私の精神に刻み込まれたと思う。

前置きが長くなったが、その兄が成人式というものを蹴った。
その時、カッコイイと思ってしまった。
強く思ったわけではないが、自分も多分蹴るだろうと予感した。

当たり前のように晴れ着を着て、当たりえのように出かけてゆく自分は想像できなかった。
そこに行かない自分がカッコイイと思った。

当日、やっぱりそういう自分が、少し寂しいような気分で銀座のデパートで仕事をしていた。

「OOちゃん、本当に行かなくていいの?」

「ウン、別に興味ないから・・・。」

先輩のやさしい言葉を嬉しいような、悲しいような気持ちで聞きながらちょっぴり後悔した。

それから、程なくしてから、友達の結婚式があった。
私は20歳の記念にと、自分で着物を一揃い誂えた。
二年間のローンを組んだ。
毎日、丁寧にタトウ紙を解いては、うっとりと眺め、又、細心の注意を払い丁寧にたたみ、そっと、ひもを結んだ。
ずぼらな私がそれだけは、自分でも信じられない位丁寧な人として、着物という物を扱った。

その時、初めて自分を誇らしく思えた。
大人に一歩近づいたような、やれるじゃん!と鼻だかな気持ちになった。
そして、これだけは、大切にしてみようと決心した。

結婚式を終え、帰りに一人で銀座の写真館に寄った。
どうやって、探し当てたか記憶にまったくない。
導かれるまま、そこに行ったのだろうか、あらかじめ目星をつけておいたのか・・・、いや、そんなはずはない。
甘えん坊の自分が、ここに一人で立っている。
薄暗い写真館は、私をいっそう心細くさせ、とても緊張させた。

出来上がった写真は、今より、老けているような、初々しいような20歳の肌は滑らかに頬をピンクに染めていた。

今も、昔も、若者の心は変わらない。
ただ、取り巻く環境が、彼らを息苦しくさせている。

大人たちよ、若者が住みやすい社会を作ろうじゃないか。
そういう意識で見守るだけでも、したいなぁ。
by mintogreen | 2006-01-06 22:29 | 八丈島の風景